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暖かく過ごすための試行錯誤:3すきま風をふせぐ

コラム-鈴木

 寒い日に、しっかり窓を締め切ったはずの部屋なのに、すきま風が吹き込んでくることはないでしょうか。特に床を伝わって冷たい風が、窓のほうから染み出してくるような感じになることもあります。

 よほど住んでいる人が注意散漫でなければ、窓を締めているのは確かでしょう。それでも風が吹き込んでくるのは、2種類の理由があります。

サッシ 一つは、実際に隙間があいている場合です。建物は壁や窓を完全密閉できるわけではなく、どれだけがんばっても隙間が生じて風が通りぬけてしまいます。木の板をつなぎ合わせるときに隙間ができますし、年月を経て歪みが大きくなります。木でなくても、古いアルミサッシなどでは前後に力を加えた時にガタガタゆれるようでは、横から見たときに少し隙間が空いているのが確認できます。また、電気などの穴を開けていくときにも隙間が生じます。どんなに密閉を考慮して建てた家でも、1平方メートルあたり、1平方cm相当の空気が通る穴ができてしまいます。この隙間面積(cm2/m2)をC値と言って、しばらくまでまでは省エネ基準で定められていました。次世代省エネ基準では、北東北や札幌では2以下、それ以外では5以下と定められていました。ただし次世代基準を達成している住宅が国内に5%程度しかない現状をみると、多くの家庭ではすき間だらけと考えて、間違いないと思います。

 もうひとつは、すきまが空いていないのに、隙間風が起こる場合です。窓際で、窓から風が吹き込んでくるような冷たさを感じる経験をお持ちの方は多いかと思います。窓や屋外に接する壁面で冷やされた空気が、重くなって吹き下ろし、床を伝わって冷たく感じられるものです。コールドドラフト(冷たい吹き下ろし風)と呼ばれます。

 原因は違いますが、この隙間風、冬場の生活にとっては、いちばん来てほしくない場所にやってくる、やっかいものです。


 

すきま風の意地悪さ

 冷たい空気は重くなって床まで届き、床を伝って広がっていきます。日本人は、床に座ったり、床に布団を敷いて寝たりする習慣があるため、人が過ごしている場所を狙って冷たい風を送り込んでくるのが「すきま風」のやっかいなところです。人間が天井付近で過ごすことができれば、暖かい空気が自然と天井に集まってくるので、快適な生活になるのでしょうが・・・、不自然な生活になりそうです。

 これは、実際にすきまが空いている場合でも、すきまがない場合でも同じことです。寒い屋外から入りこんできた冷気が、人のいる床を狙って集まってくるのです。

 海外のように、床で過ごすのをあきらめて、テーブルや椅子を使ったり、ベッドで寝たりすることができれば、多少は改善できるのかもしれません。日本人は「たたみ」という効果的な断熱材を実用化して、床を快適にしてきたのですが、それだけでは隙間風の対策は不十分でした。

 しっかり、すきま風対策をしましょう。

窓・サッシのすきまを防ぐ

 窓がガタガタ言うようであれば、すき間があると考えていいでしょう。引き戸の場合には、部屋がわの窓枠と、屋外側の窓枠がぴったりとすれ違う必要があり、ここに少しでも隙間があると、風が入り込んでしまいます。またアルミサッシのレールもすきまがあることを前提に設計がされています。起毛の風よけがついていますが、長年つかっていると、これが弱くなってすき間ができている場合もあります。さらに古いサッシの場合には、形がゆがんでしまい、垂直になっていない場合も出てきて、閉めた時にサッシ枠との間にすき間ができてしまうこともあります。サッシでは風が通りにくいようにアルミが複雑に成形されていますが、よくみるとすき間をふせぐためのゴムやブラシを見つけることができるかと思います。

 これらはいずれも自分で修理することは可能ですし、工務店(窓屋さん)に頼んでメンテナスしてもらうこともできます。

-YKK AP 窓の傾きは戸車で調整するhttp://www.ykkap.co.jp/support/care/window/window/types02.html

-LIXIL すきま風がはいってくる http://tostem.lixil.co.jp/support/troubleshooting/door/sash/case01-07.htm

壁面のすきまを防ぐ

  屋外に接する壁の場合、壁の中には通気層があります。柱と梁のとりあいで、すきまが生じてしまうこともあります。鴨居など天井付近にある場合にはすき間がそのままになっている場合もあります。特にネズミが出入りするような家の場合には、どこかにねずみが通れるだけのすき間があると考えていいでしょう。

天井のすきまを防ぐ

 古い家の天井裏に入ると(通常は押入れなどに、天井裏をメンテナンスするための入り口があります)、部屋の光が細いすじとなって漏れているのを確認することができます。光が漏れているのですから、そのぶん空気もとおる穴が空いていると考えて構いません。

 天井から冷たい風が吹き込むことはないのですが、暖かい空気が天井にたまることすらなく、ザルのように上に逃げてしまうのであれば、当然その分の冷たい空気が、床や他のすきまから入ってくることになります。

 これはまだ私も実験はしていませんが、新聞紙や、木工用ボンドなどが有効のようです。テープではる方法もあるのですが、ほこりが多い世界なので、それほど有効ではなさそうです。

 天井裏の最も有効な対策としては、断熱材を敷き詰める方法があります。冬だけでなく、夏場の暑さ対策としても効果があります。窓断熱についで、かんたんにできる断熱リフォームです。

扉のすきまを防ぐ

  開き扉は、引き戸よりも密閉しやすい構造です。けれども、部屋の開き戸は、1cm程度上下にすきまをあけて設置されるのが一般的です。これは、扉がしまっているときにも、集中換気を通じて部屋が換気される状態を維持するためのものです。ただそれ以上にすきまが多い古い家で、かつエアコン暖房を使っている場合には、すき間をふせいであげることで、暖気が逃げるのを防ぐことができます。

 ホームセンターで売られているすき間テープなどが有効ですし、私は透明のビニールシートを使ってすきまを防ぎました。 

階段からの吹き下ろし風を防ぐ

リビングの階段 リビングが吹き抜けになっていたり、上階につながる階段が部屋内にある場合には、上階からの冷たい風が吹き下ろしてきます。これがなかなか厄介で、高さがある分、風も強くなります。4-5階建てのビルでは、階段が扉に囲われた「階段室」となっている場合があります。このとき1Fの扉を空けると、かなりの風速で風が階段室から吹き出してきて、閉めるために力が必要になる(圧力がかかっている)ことがわかります。これは階段室の冷たい空気が重いため、暖かい室内側に勢いよく流れ込んでくるためです。高さが高いほど、煙突効果で、勢い(圧力)が強くなります。

 リビングの場合でも、暖房をしても、上の階に暖気がいってしまうので、なかなか下が暖まらず、寒い思いをしていることがあります。家全体を暖める使い方をしていれば問題は少ないのですが、居間だけ寒くなったときに暖房するといった使い方の場合には、暖気は上に行くは、冷気は降りてくるわで、なかなか満足できる暖房空間をつくるのには時間がかかります。

 家全体を暖房するといっても、断熱性の高い家でなければ、びっくりするくらいの暖房代がかかることがあります。暖房を1日のうちでつけたり消したりする使い方をするのであれば、1)吹き抜けやリビングから直結の階段は作らない、2)家の断熱を最大限入れる、といった工夫が必要になってきます。

 とはいえ簡単にリフォームができるものではありません。比較的簡単に冷気を防ぐためには、階段に天井から床まで届くカーテンを設置して、リビングと階段スペースを切り離すことが有効になります。なるべくすきまを空けないことがポイントです。

 ただし、階段の下に扉やカーテンをつけることは、安全性には十分注意してください。階段の最後が確認できなかったり(階段を下りていて、もう一段あったのに、ふみはずしてしまうなど)、出会い頭になったりすると、ケガをする場合があります。

 

カーテンしても、すきまがあったら意味がないの?

 カーテンの話は、窓の断熱でしたほうがいいのかもしれませんが、新しく分析ができたのでここで報告します。詳しくは、http://hinodeya-ecolife.sakura.ne.jp/ecocalc_window/「窓の断熱の工夫による効果計算」を御覧ください。

 結論を言えば、5mm程度のすきまであれば、すき間があっても断熱効果が出てくるようです。2cmを超えるすき間があると、風通しがよくなって、 あまり意味がないことになります。いわば冷たい風が流れ出てくる「すきま風」を止められなく、意味がないということです。

 カーテンの断熱も大切ですが、床面や壁面、上面との間にすきまがないほうが重要です。また、階段下などで圧力が大きいところでは、風でカーテンがめくれてしまっても同じように意味がなくなります。

 

 

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