Ecolife情報

風呂の保温装置(浴槽保温器)

 風呂の沸かし直しをするより、保温装置で保温をすることで、光熱費を削減できるという売り込みで、数年前から販売されているものです。通信販売やホームページなどではよく販売されており、1万円から4万円程度の値段がつけられています。

 「年間5万円近く安くなる」などと表示されていますが、測定を行ったとされるメーカーの名前はどこにも出ていません。計算根拠についても検討してみたいと思います。

 ※追記:広告には書かれていませんが、製造元が検索にかかるようになりました。株式会社パアグ(PAAG) http://www4.osk.3web.ne.jp/~paag/ になります。(2006年12月26日)

 ※追記:広告に書かれている差し湯は現実的ではありませんが、通常の給湯器の「追い炊き」運転では効率がかなり落ちます。追い炊き機能を使うよりも、保温装置を使うほうが環境負荷が小さい場合も出てくるかもしれません。計算してみます。(2008年8月5日)

風呂バンス600の評価

 ※特別この機種が悪いというわけではありません。一番まとまった宣伝がされているのと、丁寧に根拠が書かれているので、検証してみようというものです。

http://www.binchoutan.com/furovence.html より(4人家族250L風呂で2回差し湯をする場合)

風呂バンス600ガスで差し湯をする場合
負荷項目電気消費ガス消費水道消費
1日の金額26円(5時間)131円44円
消費量1.8kWh0.8m3110L
保温エネルギー量6.5MJ33MJ

 いずれもC2.02 単価C2.01 CO2・エネルギー原単位を参考に計算しなおしたものです。

 風呂バンスでの加温エネルギー量(6.5MJ)は、250Lのお湯ですと5℃温度上昇させる分に相当します。お風呂で1時間あたり1℃のお湯の温度が低下するのは、現実的な数値です。

 問題は差し湯の消費量です。まず、保温のために必要なエネルギー量が、差し湯の場合、風呂バンスの5倍かかるという設定に無理があります。また、毎日110L(浴槽の約半分)もの差し湯をする設定も非現実的です。

 給湯器のガス効率も低く見積もられています。110Lのお湯を60℃で供給することを考えると、広告に設定された値の半分程度で済むと推計されます。

 差し湯の場合には、浴槽のお湯を直接温めるのではなく熱いお湯を新たに供給しなくてはいけないため、お湯を直接温めるほうが構造的には効率はよくなるのは事実です。しかし効率向上は高々5割程度と思われます。光熱費は多少安くなる可能性はありますが、電気は二酸化炭素排出が多い熱源ですので、環境負荷は大きくなると見込まれます。

 そもそも、風呂バンス利用で年間5万円の削減は無理のある数値です。

通信販売事例

 2006年12月12日現在で、googleで「風呂 保温」で検索された順番です。大手新聞社の新聞広告にも掲載されています。

 なお「浴槽保温器」で検索すると、「ユーフィー」がよく出てきます。計算は同じようになされており、約5万円の節約といった数値もほぼ同じです。

通信販売事例2「湯美人」

 「湯美人」は、風呂バンスと違って、「24時間保温をして1週間お湯を換えずにすむ」ことを売りにしている装置です。

 湯の入れ替えを1週間に1回にするという設定なので、上記の計算とは違います。水の使用量を少なくすることができるのは事実ですが、光熱費が安くなる(都市ガスの約3分の1になる)ことについては疑問が残ります。

 問題は、非常に断熱性能の高い風呂の数値だということです。先ほどの計算のように、ふつうの風呂は1時間で1℃程度はお湯の温度が下がっていきます。広告に掲載されていた「湯美人」の電気消費量から熱量を計算してみると、沸かしてほおっておいても24時間後に7℃程度しか下がらない(35℃程度が維持される)お風呂の場合を想定しているようです。

 ふつうの風呂で使えば、光熱費も高くなりますし、環境負荷も大きくなります。一般的に24時間風呂は、環境負荷が大きいものです。  

通信販売事例3

 これは電子レンジで温めて、風呂に入れるというタイプのようです。電子レンジで温めるのはエネルギー効率が悪い(消費する電気の半分程度しか熱として利用できない)ので、さらに注意が必要です。


  編集 凍結 差分 添付 複製 名前変更   新規   最終更新のRSS
Last-modified: 2016-06-21 (火) 12:01:21 (369d), by 有限会社ひのでやエコライフ研究所