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化石燃料を使わない時代へ

日本全体と家庭のCO2排出量推移と削減目標

 2015年に合意されたパリ協定では、地球の気温上昇を2℃未満(可能な限り1.5℃未満)に抑えるために、21世紀中に実質温室効果ガス排出量をマイナスにすることが示されました。先進国だけでなく、途上国も賛成し批准をしています。

 まもなく化石燃料を使わない時代が始まります。日本も2050年(32年後)には温室効果ガスを8割減らすことが決議されています。将来の子どもたちに、豊かな世界を残すために省エネ社会を楽しく作り上げましょう。

図:日本全体と家庭のCO2排出量推移と削減目標(1990年=100,最新2016年度)
国立環境研究所温室効果ガスインベントリオフィスのデータ等をもとに作成

日本と世界のギャップ

 2015年のパリ協定の頃から、世界は途上国も含めて脱炭素に向かっています。自動車産業も、電気自動車に転換する方向がヨーロッパ、中国、インドなどから始まっています。

 すでに中国は、バイクは、ほぼ全てが電動です。都市部でのレンタサイクルは、非常に安価で使いやすい仕組みとなっています。世界で最も太陽光発電の新規導入量が多いのは中国です。

 日本は、新規の太陽光発電設置量が大きく落ち込みました。CO2排出の多い石炭火力を推進している国は、先進国では日本くらいです。

再生可能エネルギーの急速な拡大

 21世紀に入って風力発電が急速に拡大しましたが、それに数年遅れましたが、太陽光発電の価格が下がり発電施設設置が進んでいます。世界で稼働している設備容量でみると、太陽光も風力も、原子力発電の設備容量を超えるまで成長しています。

 導入拡大は、発電単価の下落が進んでいるためで、2020年頃には太陽光の発電単価は最も安いところで3-4円/kWh程度になると推計されています。火力発電や原子力発電などよりも安くなっており、新たな発電所を作るのであれば太陽光が最も優先して考慮される状況となっています。特に途上国が、再生可能エネルギーの導入に積極的です。

 日本では土地の制約などにより建設費が高くつき、なかなか太陽光発電の単価が下がらない状況にあり、世界との勢いに差がでてきています。

 その中でも九州では太陽光発電の導入が進んでおり、瞬間的には域内で消費される電力の6割程度をまかなう状況になっています。ドイツでは95%以上を再生可能エネルギーで賄う状況も生まれてきています。

 不安定であるために使い方には一工夫が必要ですが、再生可能エネルギーが社会を支える基盤となりつつあるのは間違いありません。

再生可能エネルギーだけを使う企業

 再生可能エネルギーだけで企業活動をまかなうことを宣言する、「RE100」イニシアティブに参加する企業が世界的に広まっています。2014年に発足したもので、2018年5月時点で134社が宣言をしています。イケア、コカ・コーラ、FaceBook?、GM、Google、LEGO、Microsoftなど世界的企業が再生可能エネルギー100%を宣言しているほか、日本からもAEON、アスクル、ダイワハウス、リコー、積水ハウスなども宣言をしています。

 実際にアップルでは、巨大な太陽光発電所を設置しており、2014年以降のデータセンターで使われる電力は、全て再生可能エネルギーでまかなかってきています。

 さすがに、鉄鋼など素材メーカーといった、エネルギーを大量に使う産業は困難が伴います。けれどもアルミニウム産業などは、大量の電力を必要とするため、電力料金が安い場所を選ぶ傾向があります。近年、風力や太陽光などの再生可能エネルギーの価格が下落している中で、大きな転換があるかもしれません。ちなみに、以前からも水力発電が安価に供給できる場所でアルミ精錬が行われてきました。

化石燃料を使って企業や国は将来性がない

 世界経済を動かしている投資資金の流れが大きく変わってきています。年金基金など長期にわたり利益を確保することが求められる基金では、将来的に継続した経営ができる企業なのかの見極めが重要になります。化石燃料が使えなくなる時代に、化石燃料に依存した経営をしている会社であれば、いつか株価が暴落するとも限りません。

 ESG(環境・社会・ガバナンス)投資をする動きが大きくでてきており、2017年時点で2500兆円のお金が、環境や社会を考慮して投資先を決めるように変わってきています。

 化石燃料が使えなくなると困るという以前に、そうしたことに依存する会社から、資金が流出して経済的に滞るという状況が起こってきています。特に石炭火力発電への投資は、運用がされる2-30年の間には使えなくなる可能性が高く、投資引き揚げ(ダイベストメント)の動きが大きくなっています。また、石炭火力発電へ投資している銀行などに対する、世界の批判も大きくなっています。

電力会社が変わる

 実際に、社会が環境政策へ大きく舵をとってきたために、電力会社の経営方針が大きく変わってきている例があります。

 ドイツの大手電力会社エーオンは、今まで抱えてきた火力発電や原子力発電が重荷となり、株価が大きく下ってしまいました。そのため、こうした旧来の発電所を分離し、より将来性が望める再生可能エネルギーや配電、小売(省エネを含めたエネルギー供給サービス)に重視するように変わってきています。

 日本でも、東京電力が大きく変わってきています。エネルギーを供給するだけでなく、省エネサービスも重要なサービスとして位置づけて、事業を行う方向です。世界の動きに10〜20年ほど遅れをとっていますが、ようやく日本でも、一部で動き出してきました。


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Last-modified: 2018-05-25 (金) 09:39:39 (207d), by 有限会社ひのでやエコライフ研究所