生ごみは堆肥化して畑で使う

 ごみの中でも「生ごみ」は自治体のリサイクルがなかなか進んでいない分野ですが、一方で最も手軽にリサイクルができるものです。もともとが分解して自然に還る物質ですので、極端なことを言えば、野原に(適切に)放置しておくだけでもリサイクルが進む、リサイクル優等生ともいえます。

 田舎の生活では、そのまま穴を掘って埋めておけば、自然と発酵がすすみいずれはいい肥料に変わっていきます。穴を掘らなくても山積みしているだけでも、自然となくなってしまいます。カラスやタヌキなどに食べられてしまうという面もありますが、それも自然の循環に戻る流れの一つです。

自治体と生ごみ

 生ごみは家庭ごみの4割近くを占めており、ごみ減量を進めるにあたって必ず注目される品目です。生ごみを出さないようにするという取組みは多くありますが、燃やさずにリサイクルするとなると、自治体の政策としてもなかなか踏み込めない状態です。

 都市部では生ごみを腐らせてしまうことは不衛生となり、迅速に焼却炉で燃やされることが求められます。衛生的にはそうなのでしょうが、結果的に自然の循環を断ち切ってしまうことになります。

 滋賀県湖南市など一部の自治体では、生ごみを回収して堆肥化を試みているところもあります。また、埼玉県小川町、町田市、新潟県長岡市など、バイオガスプラントで燃料を作っている例もあります。ほかにも集めた生ごみをし尿といっしょに処理することで、消化ガス(バイオガス)を作る形でリサイクルしている例もあります。欧州では広く生ごみのバイオガス化が進められているのですが、少し匂いがするなど日本では反発も多く、あまり定着していないのが現状です。

 ごみに出して自治体が回収する間に、においが発生してしまうこともあり、家で生ごみを処理することができればそうした問題は避けることができます。ただし、電気を消費する「生ごみ処理機」は、加熱などにおいてエネルギーを多く消費するため、地球温暖化問題が重視される現状では、あまりおすすめできません。

生ごみを堆肥化する

 そもそも放置していても肥料になるものです。匂いを少なくしたり、虫などが寄ってこないようにしたり、うまく管理をしながら肥料を作っていく工夫は、いろいろな組織でされています。庭に設置する大型バケツをひっくりかえしたような「コンポスト」もありますし、ダンボールを二重にして室内で堆肥発酵させる工夫もあります。いずれにせよ「適宜かきまぜる」ことが必要であり、かきまぜやすいように作られた装置も売られています。

 冬場でしたら、1か月くらいなかなかごみが減らないこともあるのですが、暖かくなってくると生ごみは2-3日で色が茶色になり、いくら入れてもどんどん嵩が減っていく状態になります。

 畑の楽しみ

 肥料ができたら、それを自分で使えてこそ楽しみです。生ごみから作られた肥料を入れると、かなり野菜の育ちもよくなります。

 大きな畑は必要ありませんので(そんなにたい肥はできません)、ベランダがあればそこにプランターで野菜を植えるだけでも十分です。トマトやきゅうり、ししとうなど、比較的簡単に収穫できます。スーパーで売られているほど形がしっかりしているわけではありませんが、なんにしても、とれたての野菜はとてもおいしいです。  

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Last-modified: 2019-06-12 (水) 17:23:58, by 有限会社ひのでやエコライフ研究所