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太陽光発電装置を屋根にとりつけましょう

 太陽の光を電気に変える装置が太陽光パネルです。屋根に設置することで、家庭で消費する量をまかなうほどの電気を生み出すことができ、非常に環境面で望ましい装置です。

 家庭の温暖化対策の中で、最も大きな効果を生み出す取り組みの一つです。標準的な家庭で使用するエネルギー(自家用車を除く)の半分程度をまかなうことができます。

 2009年11月から電力会社に売電する価格を、10年間にわたり固定価格で行う制度が始まりました。順次買取価格は下げられており、2015年度は33円(東京・中部・関西電力)もしくは35円(それ以外で出力調整装置付き)での買い取りがされます(ガスコジェネ発電をしている家庭は別料金になります)。おおむね設置から10〜15年程度で元がとれ、その後は電気代分だけが「稼げる」ことになります。

 大型の10kW以上のパネルの場合には、買い取りが20年間保証されます。屋根につけられる家庭は少ないかもしれませんが、郊外で庭などに設置する使い方もあります。

 なお、家庭の電気料金単価は、月280〜300kWh以上使う範囲では、30円/kWhを超える電力会社もでてきています。徐々に買取制度に頼らなくても、元がとれる時代になりつつあります。また、太陽光パネル自体の価格も安くなっています。

 また、窓の断熱などと同時に太陽光発電装置を設置することで、最大30万円までリフォーム減税(所得税が控除される)が受けられます。

 効果

【自動計算】
電気の削減(kWh)光熱費の削減(円)二酸化炭素排出量の削減(kg)
1ヶ月の削減2506,750138
1年の削減3,00081,0001,650

ちなみに、固定価格買取制度で買い取ってもらえる10年間分は以下のようになります。

電気の削減(kWh)光熱費の削減(円)二酸化炭素排出量の削減(kg)
1ヶ月の削減25011,475138
1年の削減3,000137,7001,650

 費用

 太陽光パネル、系統連結装置(家庭用電源として使うための装置)、設置費用がかかり、大きさや工務店にもよりますが、100〜200万円かかります。

 国の補助金はありませんが、自治体ごとの補助金もあります(環境ビジネス.jp: http://www.kankyo-business.jp/topix/solar_topix_01.html)。

 関連の取り組み

 同じく太陽エネルギーを利用する仕組みとして、E04 真空貯湯式のソーラーシステムを設置して利用するE07 太陽熱温水器を設置して利用するなどがあります。屋根を取り合ってしまうので、十分な広さがない場合には、どちらかしか導入できないことがあります。太陽光発電は、太陽熱温水器に比べるとメンテナンスの手間もなく、トラブルも少ないようです。

 E111 ベランダに太陽光発電装置を設置する方法もあります。照明1灯程度で用途は限られますが、安価で太陽光発電を体感することができます。太陽のありがたみがよくわかります。

 導入のしかた

 値段が高いので、まずはホームページや住宅展示場などでパンフレットなどを取り寄せ、メーカーや工務店の比較検討をしてみてください。補助金などの手続きは業者が対応してくれます。また実際の工事はほぼ1日で完了します。

 業者による訪問販売もありますが、屋根をいじりますので、保証があり信頼できる業者を選ぶようにしてください。

 なお、太陽光パネルの一部が影になったり故障することで、全体の発電量が大きく低下することがあります。一部のパネルが故障することはよく見受けられることですので、メンテナンスはしてもらうほうが望ましいです。

 おすすめの家庭

 日光がよくあたる一軒家をお持ちの方なら、環境負荷削減の観点からおすすめです。瓦屋根でも設置できます。ただし、100万円以上の初期投資が必要ですので、余裕のある方になるかと思います。

 なお、屋根に重量があるものを載せますので、十分な耐震性能があるかどうかは、検討する必要があります。

 省エネ診断方法

提案対象外の世帯

計算方法

解説

 車や電車などで走っていると、時々太陽光パネルを屋根に乗せた家をみかけるようになりました。設置価格が高いために、現在の普及率はまだ1%に達していませんが、自治体によっては飯田市のように3%を超える設置率のところも出てきています(2010年時点)。

 参考統計

 2013年度時点では、既存住宅のうちおよそ3%の家庭に太陽光発電装置が設置されています。

 補助金がだされた件数でみると、2013年度では新築で11万件の太陽光補助がありました。着工住宅(持ち家+分譲戸建て:建築着工統計調査2015年)が49万件なので、およそ5分の1の家庭で新築時に太陽光を設置していることになります。

 環境負荷

 「太陽光パネルを作るために多くのエネルギーがかかるので望ましくない」という議論がされたこともあります。しかし製造に必要なエネルギーはほぼ2〜3年程度でもとを取れる程度ですので、寿命が15年以上あることを考慮すると、「望ましい」装置と言えます。

 価格

 大量の電気を生み出すことができますが、現在の設置価格は200万円以上(3kWタイプ)と高いため、利息無しとしても、元をとるためには50年以上かかります。(2009年まで情報)

 国の補助は2005年度でうち切られてしまいましたが、自治体で補助している例はあります。最大1割程度補助してくれる場合があります。国の補助は2009年1月に復活しましたが、2014年度末で再度廃止されました。

 太陽光パネルの設置価格は、1995年ころは600万円程度していましたので、現在は非常に安くなってきているといえます。新しいパネル大量生産プロセスが実用化されましたので、今後も安くなることが考えられます。いずれ、他の発電所よりも発電単価が安い時代がやってくると予測されています。

 寿命

 環境面でいいのか、価格的に元をとれるのか、の議論のためには、いったい太陽光発電の寿命がどれだけなのか検討する必要があります。まだはっきり寿命が示されているわけではありませんが、20年以上の稼働実績はあります。むしろ、電気を家庭用の交流に変換する装置の寿命が短いようです(おおむね10年)。

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