太陽光発電と太陽熱温水器の経済性比較

  • 2008年6月 3日(火) 15:00 JST
  • 投稿者:
  • 閲覧件数
    3,427
コラム−木村 1年ぶりということで、何を書こうかということですが、昨年の宿題がありました。
そうです。太陽熱温水器の記事です。
ほったらかしたままで、ごめんなさい〜。
一年ぶりに再開っです。
今回は、太陽熱温水器の経済性についてお話したいと思います。


 1)太陽光発電の経済性試算
新エネルギー財団によると、太陽光発電システムの1kWあたりの価格は66万円です。
維持経費はゼロとします。金利は、300万円未満の定期預金10年ものの金利数値(0.8%;2008年5月末)を使うと、20年で77.4万円になります。1kWで77.4万円になります。
太陽光発電の年間の発電量を約1,000kWh/年とします。20年で生産する電力は、2万kWhです。
これで1kWh発電するのにかかる費用(これを発電原価と呼ぶ)がわかります。発電原価は、38.7円/kWhということになります。

2)太陽熱利用機器の経済性試算
ここでは、太陽熱利用機器の最も標準的なタイプである太陽熱温水器(3?)を試算の対象とし、価格は30万円とします。維持経費はゼロとし、金利も同様に0.8%とします。すると、20年で35.2万円になります。
太陽熱温水器の集熱量は、前回計算した数値1.87kWh/?・日を使いましょう。3?の温水器を20年間使ったときの総集熱量は、13,651kWh 40,953kWhになります。ここから1kwhの熱を生産するのに費用を産出すると、25.8 8.5円/kWhとなります。

3)結果
単純に太陽光発電と太陽熱発電のエネルギーを生産するコストを比較すると、太陽光発電の場合、約39円/kWhであるのに対して、太陽熱温水器は約26円/kWh9円/kWhということになり、太陽熱温水器のほうが割安ということになります。

しかし、前回も指摘したとおり、電力と熱ではエネルギーの質がまったく違います。電力は電力同士で、熱は熱同士で比較されるべきです。そこで、太陽光発電は、一般家庭の電気料金と比較し、太陽熱温水器は、同じ熱利用対象である都市ガスと比較してみることとしましょう。

4)太陽光発電VS電気料金
太陽光発電の発電原価は、38.7円です。他方電気料金(従量電灯A)の場合、電力会社によってことなりますが、関西電力では、23.3円/kWhです。およそ15.4円/kWhほど割高なことがわかります。

5)太陽熱温水器VS都市ガス
太陽熱温水器のエネルギー生産コストは、8.5円/kWhでした。都市ガスの価格は、13.7円/千kcalとします(エネルギー経済統計要覧07より)。単位を揃えると、都市ガス価格は、11.8円/kWhとなります。両者を比べると、14 円/kWh3.3円/kWhの差があることがわかります。

6)まとめ
太陽光発電と太陽熱温水器共に、同じエネルギーで比較すると、両者とも市場における競争力を有していないようです。その意味で、経済性の面から太陽光発電が優れているともいえないし、太陽熱温水器が優れているともいえなさそうです。 但し,太陽熱温水器のほうは,都市ガスの価格に接近しており,近年の燃料費高騰の影響を考慮すると,今後太陽熱温水器のほうが既存の燃料よりも経済的になる可能性が十分あるといえます。

お詫び:申し訳ありません。基礎的な計算を間違えておりました。太陽熱温水器の費用を3?で見ているにも関わらず,生産熱量を1?のままで計算しておりました。お詫びして訂正させていただきます。(2008年7月2日)


トラックバック

このエントリのトラックバックURL:
http://www.hinodeya-ecolife.com/trackback.php/20080603113202374
表示形式
コメント投稿

コメントは投稿者の責任においてなされるものであり、サイト管理者は責任を負いません。

  • 太陽光発電と太陽熱温水器の経済性比較
  • 投稿者:tomo on 2008年9月 1日(月) 23:42 JST

 鈴木所長さんの記事、最近のは結構マジメですね〜木村研究員さん、「所長、またウケる環境講座書いてください!」ってお願いしてくださいよ。それか木村研究員さんがウケルの書いてください。太陽光発電ですか〜やっぱりエネルギー改革なくして温暖化対策は不可能なんですかね?仮に枯渇するまで石油を使い果たすとそれだけで3度くらい気温が上昇するって言いますもんね。
 でもどうなんでしょう?鈴木所長さんも「シャワーの時間を短くする」とか言われてますが、家庭での3R活動?はどれだけ温暖化対策に貢献するんでしょう?最近プラスチック容器のリサイクルということが言われます。でも日本でペットボトルなどのプラスチック容器を全部リサイクルしても、年間CO2排出量の0.1%くらいしか削減できないとか…そもそも家庭部門の排出量は5%(だったかな?)、電気使用量などに置き換えて換算しても20%(だったかな?)なんか最近「市民の環境意識高揚を目的とする事業を実施することがどれだけ重要なんだろう?」って考えるようになりました。個人レベルでの環境対策の効果は小さく、真の環境対策はエネルギーの制度改革等に待つほかないのなら、いくら啓発事業を行っても個人のモチベーションは格段には高くはならんだろうし(もちろんやらんよりマシと分かっていても)、そういう事業を推進していこうという意識もどうも高まらなくなりつつあるんよね(すっごいいけんことなんじゃけど)
 もちろん、個人レベルでの環境意識高揚は家庭部門のCo2排出量だけに影響を及ぼすのではなく、事業部門などあらゆるところに影響していきますよね?でもモデル的な生活(無理のない範囲)を個人個人が送ったら実質的にどれだけのCO2削減に貢献できるかっていう予測数値がほしいんですよね〜現状は終着駅も到着時間分からないのにとにかく「北に向かうから」と市民を列車に乗るよう勧めてるようで…そんなんじゃ列車にも乗りたくないんですよね。
 あと3Rのうち特にReduceを個人一人ひとりが本当に推し進めていったら経済の低下を招いたりしませんかね?ていうか、経済の低下を招かないような仕組みづくりがまず必要なんじゃないんですかね?まず個人の環境意識の高揚と生活の変容があり、それから環境に対する需要から「神の見えざる手」によって自然に経済がうまくいくんだという楽観論があるような気がしてならないんですが…最近、まずはエネルギー改革も含めた制度の改善があり、先の見通しが出来た時点で「個人の環境意識の高揚と生活の変容」が現実味を帯びてくる気がするんですがどうでしょう?すいません、素人が分からん上にわけ分からんこと書いて。