■はじめに
筆者がいつもお世話になっているM理髪店さんから、「夏と冬の光熱費(電気代)が大きく跳ね上がるんだけど、どうにかならないだろうか」とメールで連絡を受けたこともあり、簡単な省エネ診断をさせて頂きました。今回はその診断内容と削減結果を簡単に報告してみたいと思います。
■施設概要
お店の概要は、以下のようになります。
(1) 事業概要:理髪店(座席数3席)
(2) 広さ:15平方メートルぐらい
(3) 使用エネルギー:電気、ガス
(4) 主な設備・機器:
・照明(直管形蛍光灯 FLR 110W)×5台
・家庭用エアコン×2台
1台目 平均COP約2.7(10年以上前のモデル)
2台目 平均COP約5.0(3年以内のモデル)
・洗髪用給湯機(ガス)×1台
・タオルスチーマー(電気)×1台
・その他(ドライヤー、オーディオ、電話機、レジ、換気扇etc..)
■ヒアリング(メール)診断
まずは、季節別月あたりのだいたいの光熱費、照明やエアコンの型番(写メなど)など主な機器とその使用状況を教えてもらいました。エアコンは、
「冬場の設定温度は2台共30℃にしておいて、弱風運転。暖まりすぎたら切ります。」
とのこと。この設定だと、店舗全体がなかなかあたたまらず、大きなエネルギー使っている可能性があります。お店の広さからすると1.5馬力(冷房能力4.0kW)程度の能力が必要となります。実際には、店内に家庭用エアコンが2台使われていました。
冬場の設定温度を28℃として、エアコンの能力と、営業時間(使用時間)から、弊社の小規模事業所向け省エネ診断(β版)を使ってざっくりと計算してみました。計算の結果は、冬場の暖房費は1年間で20,000円となりました。
■現地診断
(散髪をしながら)簡易診断による推計結果を見せて、実際の光熱費はそれを大きく上回っていることを説明しました。
また、他の機器についても直接お話しを聞きながら確認しました。よく使う機器の中では、洗髪用の給湯機がありましたが、これは熱源にガスを使用しているので、電気代はそれほど影響はしないと判断しました。また、タオルスチーマーが電気で動いていますが、季節による変動は小さいと考えられます。照明、ドライヤーも同様です。やはり、夏冬の電気代の変化は、冷暖房による可能性が大です。そこで今回はエアコンの使い方と熱の出入り口に注目しました。
■運用改善提案
まず、熱の出入り口対策です。
(1) 窓対策
店内には、西側、北側に窓がいくつもあり、熱の出入りが大きい可能性がありました。
【提案】店舗内で影響のない範囲でエアーキャップ等で窓面の断熱を行う。二重レース(窓面よりも長めにたらす)も有効。
(2) 出入り口対策
お客さんの出入りはどうしようもありませんが、外とつながる扉の開け閉めはなるべく減らした方が、熱負荷を減らすことができます。店内の様子を見ていると、一部の掃除道具を取りに行くために、何度か裏口の扉を開け閉めしいました。
【提案】道具置き場を室内に移し、裏口扉の開け閉め回数を減らす。
熱の出入り口対策を行った後で、次にエアコン対策です。
(3) エアコンの使用方法
暖房時は30℃設定で弱風という運転でしたが、これではなかなか店舗全体が温まらず、エアコンが常にフルパワーで動いていた可能性があります。
【提案】暖房時は、22℃設定として、強風または自動風量で運転する。また、扇風機よりも直心性のあるサーキュレーターを活用すると効果的。
※この運転で、店内が寒い場合は随時調整し、設定温度等をみなおす。
以上の提案を行いました。
■削減結果
上記提案をいくつか実践して頂いたようで、その結果を教えていただきました。2月から4月の3ヶ月で、電気代が約8,000円ほど削減できたそうです。ひと月あたりにすると以下の結果になります。
| 電気の削減(kWh) ※1 | 光熱費の削減(円) | CO2の削減(kg) ※2 | 期間 | |
| 3ヶ月の削減 | 364 | 8,000 | 107 | 2月から4月 |
| 1ヶ月の削減 | 121 | 2,667 | 36 |
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