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将来を見据えた投資

  • 2007年4月 6日(金) 17:45 JST
  • 投稿者:
    kimura
  • 閲覧数
    4,672
コラム-木村
 

昨年度は、

日本では近年まれにみるほど、温暖化問題への関心が高まった年だと言えます。その理由として、異常な暖冬、アルゴア氏の活動を描いた「不都合な真実」のヒット、IPCCの第4次報告書要約版の発表があげられます。こうした世間での関心の高まりとは裏腹に、日本の温暖化対策はあまり積極的とはいえません。そのことが今年の新しい自然エネルギーの目標値設定にみごとに現れています。

 

日本では、

電気事業者に販売する電気のうち一定割合を自然エネルギー電力で賄うよう義務づける法律があります。通称「RPS法」と呼ばれているものです。 RPS法は2003年度から本格的にはじまりました。そのときの目標は2010年までに販売する電気の1.35%は自然エネルギー電力にしよう!というものでした。で、もともといくらあったかというと、2003年度で0.35%くらいですので、およそ4倍にしようということだったのでしょう。最初があまりにも小さいので4倍といってもたいしたことはありませんね。さらに、今年に入って、政府が2014年までの新しい目標値を1.6%に設定しました。わずかに増加といった具合ですね。

 

報道によると、原因は電力会社が目標値引き上げに対して反対したために、この程度の数字で限界だったということだそうです。自然エネルギーの普及コストを電力会社は引き受けられないということでしょう。

でも、このRPSの義務って”すべて”の電力会社に課されているから、競争上の不利益はないはずです。なので、電力会社の言い分も変な気がします。さらに、その費用って結局、電力消費者に負担するということですよね。ということは、この制度では自然エネルギーの費用負担は基本的にみんなで等しくしていこうというものだといえます。にもかかわらず電力会社はこうした目標値増大に反対しています。逆に、このRPS法を逆手にとって、”どんどん自然エネルギーに投資して儲けよう”という発想の電力会社がでてきて欲しいものです。

 

石炭や石油などエネルギー技術を主に使ってるエネルギー業界では、”自然エネルギーなどはおまけでしかない”という発想なんだと思います。しかし考えてみてください。時代とともに利用するエネルギー資源(水力→石炭→石油)も変わってきており、今当たり前と思っていることが20年・30年先には陳腐な考え方になっている可能性もあります。特にエネルギー投資は、初期投資が莫大な額に上ります。このため、いったん設備を建ててしまうと、数十年は使い続けなければ、元が取れない、あるいは利益がでないということになります。

しかし、今使ってる石炭・石油が30年後も手ごろな価格で手に入り、あるいは環境規制もこれ以上厳しくされないと安易に考えてもよいのでしょうか?そういった意味で、電力会社も時代に即したエネルギーの生産と消費のあり方を考えながら経営戦略と投資計画を立てていくことが求められるのではないでしょうか。