(2)気をつければできる、運転技術以外

投稿者: | 2012-07-13
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エコドライブの運転技術以外で、ちょっと気を使えばできる項目を説明していきますので、是非とも確認して実践してください。

 項目は、8項目あります。

  • 暖機運転
  • エアコンの使用
  • 不要な荷物
  • 空気抵抗
  • タイヤ空気圧
  • エンジンオイル
  • 道路情報
  • 駐車場所

【暖機運転】

暖機運転することはエンジンを暖めることで最適な状態にするために行っていましたが、近年はエンジンの高性能となり必要なくなっています。走行しながらで十分に暖機されます。無駄な暖機運転はしないようにしてください。但し、寒冷地や長期間放置した場合は、1~2分程度の暖機運転を行ってください。

 エンジン始動時はエンジン水温がある程度上がるまで燃料が増量されていますので、その状態で長時間の暖機運転を続けますと無駄燃料を消費することになります。

(ワンポイント)

  • 暖機運転を不要となってきていますが、かと言っていきなりアクセルを踏み込みエンジン回転数を上げるはエンジンにとって負担になりますので、上々にウォーミングアップ走行してください。

【エアコンの使用】

エアコンは、季節・気温に応じてこまめな温度調整、風量調整してエンジンの負担を無くし燃料の消費を抑えましょう。

クルマのエアコンは、エンジンの力でコンプレッサー(冷媒ガスを圧縮⇒気化)を駆動しているためにコンプレッサーが作動するとエンジンの力がコンプレッサーに奪われてしまい、余計に燃料が消費されます。

 

 エアコンのエコな使い方

  • 外気25℃ではエアコンをOFFで燃費が14%向上します。春や秋はエアコンをOFFする。
  • 外気35℃ではエアコンをONで内気循環モードに切り替える。外気導入では、外気の温かい空気をエアコンで冷やさなければなず余分な燃料を消費する。
  • 夏場では、エアコンの設定温度1~2℃上げるだけでもコンプレッサーの作動が少なくなり燃費に向上する。
   

(ワンポイント)夏場で早く室内が冷えるには

  • 炎天下に駐車する場合は、フロントガラスに日ようけ、フロントドアガス以外の窓にカラーフィルム貼るなどしても太陽熱を遮断します。(但しフロントガラス、フロントドアガスにカラーフィルム貼る場合は、車両保安基準があるので注意)
  • 炎天下で駐車した場合には、まずは換気で室内の暖かい空気を出しましょう。
  • 室内にエアコンフィルターがあるので、シーズン前は清掃しましょう。(家庭用のクーラーと同じ)

【不要な荷物はつまない】

クルマに不要な荷物を積んでいますと、燃費が悪化します。110?の荷物を積むと市街地3.4%、郊外で5.4%の燃費が悪化します。

クルマを1人で運転している時と5人乗って運転している時と同じで、クルマが重くなると発進や走行に影響することからアクセルを踏むようになり、その分燃料が消費されています。

特に、重量が増加した場合で上り坂の燃費が更に悪化します。

 

 (ワンポイント)不要な荷物は降ろす

クルマの中をもう一度見て、必要なものと不必要を分けて降ろす。

ちりも積もれば・・・・洗車用具、タイヤチェーン、キャンプ用品、ゴルフバック(約10~)、釣り竿など

【空気抵抗の低減】

空気抵抗は速度が上がるにしたがって抵抗(クルマを押し戻す力)も上がる(速度の2乗に比例して空気抵抗が上昇)特性があり、高速走行では無視できない程の大きな抵抗で燃費悪化します。

市街地では、あまり空気抵抗による燃費悪化は少ないですが、速度が上がる高速道路になると燃費が悪化していきます。この表は乗用車の一例の結果ですが、80km/hの速度を20km/h上げると約15~18%燃費が悪化しています。

高速走行では、法定速度に準じた速度で走行願います。

巡航速度燃費のめやす
80 km/h16~20km/L
100km/h13~17km/L
120km/h10~14km/L
140km/h7~10km/L

 空気抵抗は、クルマの前から見た面積が大きいほど抵抗が大きく、乗用車の前面投影面積が約2.0m²前後に対し大型トラックでは8.5m²と約4倍近くあり、それだけ空気抵抗が受けやすいです。そのためトラックでは、風の流れを良くするために屋根に導風板を付けています。

高速走行では、窓を閉めて空気抵抗を抑えてください。

 

(ワンポイント)

  • 年中ルーフボックスを付けているクルマを見ますが、使わないのであれば取り外してください。重量増と空気抵抗の影響のため。

【タイヤ空気圧】

タイヤの空気は、夜店の風船と同じで空気は抜けることをまず知ってください。1か月で約10~20kPa(1~2kgf/cm²)位低下していきます。

 
 

空気不足のタイヤで走行していると、タイヤが転がる抵抗(転がり抵抗)が増加し、余計にアクセルを踏んで燃費が悪化します。最低一カ月に1回は空気圧の調整をしてください。タイヤの空気圧はタイヤにより違いますので、タイヤに合った空気圧の調整をしてください。

 

 (ワンポイント)

  • エコタイヤは地面に転がるときのタイヤの変形がしにくく転がり抵抗を向上させたタイヤで約20~30%転がり抵抗が低減され、燃費として3~4%向上している。注意としてエコタイヤを購入する際には、タイヤの性能を表すラベリング表示があるので確認してください。

(ラベリング表示内容)

・適用範囲:消費者が交換用としてタイヤ販売店等で購入する乗用車夏用タイヤ

・グレーディングシステム

   転がり抵抗係数・・・・・・・5等級(グレード AAA~C)

   ウェットグリップ性能・・・・4等級(グレード a~d)

・低燃費タイヤの性能要件

   転がり抵抗係数・・・・・・・9.0以下(グレード AAA~A)

   ウェットグリップ性能・・・・110以下(グレード a~d)

 

 夏場のタイヤ空気圧点検は、燃費向上だけではなくタイヤ空気圧が低い状態で高速走行するとタイヤバースト(タイヤの破裂)が発生し、重大な事故につながります。タイヤ圧が低い状態で走行するとタイヤの変形でハンドルの操作性に影響します。

夏場の高速連続走行は、タイヤの温度が高くなりますので、定期的な休憩で冷やしてください。タイヤを触って熱いと感じたら約100~120℃の温度が上がってます。

 【エンジンオイル】

 エンジンオイルを交換しないとなぜ燃費に影響するのか。エンジンオイルは常に高温状態で使用されて、その役目を果たしているわけですが、使用限界を越えるとエンジンオイル粘度が増加し、エンジン回転部の抵抗が増加し、各部位で金属摩耗が促進されて、エンジン性能が低下し燃費が悪化します。

エンジンオイル粘度増加⇒抵抗増大・金属摩耗⇒性能低下⇒パワーダウン⇒燃費悪化

クルマ毎に交換基準が設定されていますので定期的に実施してください。

 エンジンオイル交換される際には、エンジンオイルフィルター(エンジンオイルの汚れをろ過するフィルター)の交換も忘れないようにしてください。エンジンオイルが新品に交換されていてもエンジンオイルフィルターが目詰まりした状態では潤滑性能が低下し、エンジンに悪影響が出ます。

  

  (ワンポイント)

  • 燃費向上用に省燃費エンジンオイルがありますが、これは低い粘度のエンジンオイル性状でエンジンの回転部の抵抗を低減し燃費向上させるものです。詳しくは自動車メーカー、ガソリンスタンド、カーショップで確認してください。
  • ガソリンスタンドもセルフスタンドでの利用が増えてきています。以前では、ガソリンスタンドの店員さんから勧めがあり交換していたのですが、セルフスタンドを利用するとエンジンオイル交換の勧めがないことから忘れがちになりますので、自分で管理するようにしてください。

【道路状況】

道路状況で燃料消費は、大きく変わってくるので常に道路情報の確認や、日頃からの地域での道路状況を確認してエコドライブをおこなう。  

(1)目的地までの行き先ルートをあらかじめ準備し、無駄な走行は避ける。

1時間のドライブで、道に迷って10分間余計に走行すると、燃料消費は17%程度増加する。そのために行き先や、走行ルートをあらかじめ計画・準備する。事前時に道路交通情報を活用し、渋滞を避けることやカーナビを有効に利用した走行をする。

  • 京都府道路情報提供システム
  • 日本道路交通情報センター  
  • NEXCO 西日本                         

    出典:日本道路交通情報センター  

(ワンポイント)

  • 道路情報で渋滞や混雑をよく耳にしますが、日本道路情報センターでは各道路毎に渋滞と混雑を時速で区分して表示している。
区分高速道路都市高速道路一般道路
渋滞時速40km以下時速20km以下時速10km以下
混雑時速20~40km時速10~20km

(2)道路状況に応じた運転方法。

■渋滞道路走行

       

アクセル操作に気を配る

  • 渋滞路では、車間距離を詰めるために余分に加速し燃料を無駄に使用するている場合があります。車間距離を縮めても渋滞がなくなり早く目的地に到着しません。
  • 渋滞では、通常のアクセルワークとクリープ現象を利用して、ゆっくりと低燃費走行するとももに追突事故も気をつけましょう。渋滞では燃費悪化するので、気配りで燃費向上を意識しておきましょう。

電気負荷の低減対策

渋滞状態では、エンジン回転によるオルタネータ(充電装置)の発電量が少ないため、常にフルでの稼働状態になります。車によっては低燃費型充電制御によってアイドリング時に充電制御をカットする車もありますし、エンジン回転が低い場合では、十分に発電しない場合もあります。
このような時は、ヘッドライトの減光やオーディオ、エアコンなどを適切に抑えることや、ブレーキを踏みっぱなしにせずPレンジなどのサイドブレーキで引くなど、電装品を省エネ対応で渋滞中の電気負荷を軽減しオルタネーターの稼動を抑えます。

■市街地走行とは

 

アクセル操作と予測運転

  • 車間距離を詰めすぎて赤信号がなのに無駄な加速によるアクセル調整をせずに、車の流れを読んで減速時は、アクセルを離しエンジンブレーキを多用することで燃費は改善します。
  • 発進加速時も、発進時の注意と同様に急アクセルをせずにゆっくりと加速しながら、アクセルを踏み続けるのではなくアクセルを緩めることでシフトアップしエンジン回転を低くすることを覚えれば更に燃費が改善します。
  • 注意として燃費を意識しすぎて交通の流れを阻害するような運転は、回りに迷惑にもなりますので道路状況に応じて行ってください。

走行路の選び方

  •   渋滞しているので住宅地の中や裏道を走行していると燃費が悪化する可能性があるとともの焦りから交通事故が発生する可能性もあります。 2車線の国道やバイパスなどでも、停滞状態でない限り微速でも流れていきますし、抜け道より距離も短かったりするので、燃料消費量としては稼げる計算になる可能性もあります。
  • 日頃慣れた道以外にも、エコドライブが走行しやすい道もあるかもしれませんので、気がつく道があればルートを変えて燃費測定してみるのもいいかもしれません。

■高速道路走行とは

 

空気抵抗対策  

  • 速度超過は燃費を悪化させるし、法律的にも問題ですので法定速度は厳守してください。
  • 特にワゴンやトラックなど風を受けやすいデザインの場合は、空気抵抗の影響は速度が上がるに連れて影響しますし、特に100km/h付近からは大幅に燃費が悪化していきます。ルーフキャリヤーなどの付属品なども空気抵抗を増大させ要因なり燃費が悪化しますの、使用しないルーフキャリヤーなどは出来ればシーズンごとに外しておくといいでしょう。

転がり抵抗対策

  • 空気抵抗に比べると高速域での燃費悪化は少ないのですが、タイヤ空気圧が規定より低かったりすると転がり抵抗増加による燃費悪化だけでなく、タイヤの寿命低下や特に夏場のタイヤバースト(爆発)による事故の可能性がありますのでタイヤ空気圧は、定期的に点検してください。

【駐車場所に注意】 

交通の妨げるなる場所での駐車は、交通渋滞を引き起こすとともに後続車の停止、発進により余分な排出ガスを出す原因となります。ちなみに平均車速が時速40?から時速20?に落ちると、燃料消費は45%程度増加しますので、自分だけのことを考えずに周りの状況も意識してください。

  (ワンポイント)

放置違反金制度の要点 放置駐車に係る使用者責任の拡充(法第51条の4?第51条の7)

  • 運転者責任の追及ができない場合に車両の使用者に放置違反金の納付を命令
  • 放置違反金を滞納している者には車検拒否
  • 常習違反には車両の使用制限

  *放置駐車違反と駐車違反は、点数と反則金が違います。  

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